忍者ブログ

忍者ブログ

神戸市中央区にて「古流空手、古流柔術」を指導をしている【律芯館】のブログです。 「歴史ある武術を稽古することで得られる心身の洞察力によって、 生き方を深め、自分だけでなく大切な人や周りの人も守れる強さを身に付けること。もし暗い闇の中で何かに怯え苦しむ人がいれば、武術がそこに光を灯せる存在になればという信念に基づいて稽古.指導を行っています」

【武術におけるリズム感、武術律動(1)表と裏】

「優秀な黒人選手の動きにパルスリズムが見られるのは明白である。(以下中略)しかし私の専門分野はダンスであり、スポーツには多大な興味を持ちつつも、中々時間が裂けないのが現状である。専門分野の研究者や実践指導者との共同開発を望むところである。」

七類 誠一郎 著書~黒人リズム感の秘密~より抜粋(1999/2/20発行)

以下の研究を、偉大なるダンサー、トニーティーに捧げます。


★☆
☆★

律芯館武術コラムvo.12

 
【武術律動.1】

「表」と「裏」。

★☆

武術をやられている方々は、一度はこういう言葉を聞いたことがあると思います。

「極意は間合いである」

これは、まず相手と対峙した時、その時々に生じる空間を自分にとって、有利な角度や距離で支配することを言います。

またこれを、拍子(時間)の世界から見ると、「間合い」とは、固定化された距離ではなく、「打つべきタイミング」のことを差す。と考えられます。

武術においては、拍子を差す言葉には、「先」と「後」というシンプルなものしかありませんが、この言葉が極意として残っているということは、つまり、その瞬間瞬間に訪れる「打つべきタイミング」を捉えるコツ。というものがある。

その感覚を「型化」する(毎回再現性のあるものにする)ことに成功した先人がいたということを物語っています。


☆★

では仮に、そういう先人がいたとして、そうでない人との差は何処にあるのでしょうか?。

それを明確に知ることが、そこに近づく方法論の一つではないだろうか?という思いから
様々なリズムに関する文献(ダンス、音楽、指揮法、スポーツ、極意歌、極意書)や、プロミュージシャン、優れた武術家などを研究し、現在の武術律動というカリキュラムに至っています。

★☆

「学校教育の体育、音楽が天才を潰す」

これについては、おいおい書きますが、一つは音符で言う、表と裏。運動で言うアップとダウンについての多くの誤解を知らないうちにインプットさせられることから起こる出来事です。

実は、俗に言われるリズム感が本当に良い人。また武術の達人というのは、打点や運動における現象面とは別にリズム感をこういう風に捉えています。



「表」とは、「全身が気で繋がり統一された状態」

「裏」とは、「それが抜けた状態」


そんなシンプルな感覚の話です。虚実で時間を捉えているとも言えます。

★☆

基本的に武術の稽古とは、「全部、表」という感覚を作る為の稽古だと言えます。

正座して黙想し、呼吸に集中するのも、精神を統一させるのも、心が揺れない様にするのも、全てここに繋がります。

何故でしょう?

確実に拍子を捉える為です。

ある瞬間を、点で捉える為には、いつでも動き出せる(居着かない)必要があるからです。
(達人の動きに見られる共通性は、静止した状態から瞬時にスムーズに動き出せることです(この原理に関しては後述します))

だから気が抜けない。状態を作ります。

ここに至ると、相手の気が抜けた状態が分かるのでその瞬間の相手の裏を打つと「先」になります。


☆★

これが達人の感覚なら、我々はそれが何故出来ないのかを考える必要があります。

裏(虚)は、いつ、どういう時に起きるのでしょうか? 

まず一つ目、それが、【反動を使った動き】です

体育の時間

「いっち にぃ さん しぃ」という数の数え方でやった体操。により組み込まれた筋肉の収縮と緩みのリズム感。

またその延長線上にあるスポーツは、全てその数の数え方に、支配されています。

曖昧な時間感覚の表裏表裏表裏表裏の連続という世界観で、実は虚があり隙だらけです(ただ普通相手も同じ運動を基準にした動きなので、気がつきません、ここを抜けた人は各々の分野で名人扱いされるでしょう)。

音楽の時間。
(音楽関係者以外の方には難しい話かもしれません)

例えば楽器演奏で、もしこの運動と、譜面の音符上の表裏が同期しか出来ない状態になると最悪です。

8ビートは、4回身体が抜けて演奏することになります。八分音符の裏は、身体が抜けることによって起こる動作で無意識に打つとインプットされた瞬間になってしまいます。

拍子は固定化され、オートメーションとなり、その世界から抜けれなくなります。

楽器演奏で裏拍を感じるのが大切だと言われているのは、虚の状態では、人は何も認識することが出来ないからです。 それだと曖昧なリズム感になります。

((注)虚を使わないという話ではありません。使い分ける必要があるということで、上記の話で言えば、同じ8ビートを打っているように思えても、裏を感じるのと、感じないのとで二通りの表現と拍子が作れます。

武術でも間合いを外してる時ではビート感は変わります。

ですが、全部表で打てる人は選択が出来ますが、反動による運動に支配されている人にはそれが出来ません。)


★☆

では2つ目の裏(虚)の出来る時、それは【心が抜けた時、物事を感じることが出来ない時】です。

階段を踏み外して「あっ」と驚いた時など、同期して身体も抜けた状態にあります。

☆★

3つ目が、【重力からの解放】です。

先程の階段の話と同じ類いですが、ジャンプして身体が浮いた時、また上げてた腕をダランと抜いて落とす時の腕など、がこれにあたります。


では全て逆に言えば、反動を使わない。心を抜かない。身体が浮かない。の3つが表の状態を維持する条件とも言えます。


拍手[1回]

PR